私はここに懺悔します。
私はある雑誌でこの数年ほぼ月2回、松岡さんに撮影をお願いしています。なかなか厳しい状況もあるなかで、松岡さんは汗をかきながら、光る写真を撮ってくれます。私はそれを通すためにときに各所と意見をたたかわせたりもしていますが、諸事情から一番光って見えるものとは別のものをセレクトしてしまうこともあったかもしれません。
今回『マリイ』にアザーカットや道中で撮った写真が収録されたことは救いとなりました。松岡さんの写真には、まなこのくもりが晴れるような生々しさがあり、これらが真として写る世界になら希望をもつことができ、私もここに居ていいのだと思えるものがあります。そしてその背景には松岡さんの優しいまなざしとそれを貫く強い意志があると再認識しました。
私ももうすこしたたかえる、というか、素直になれる気がしています。ですから、どうか今後とも私なりのセレクトをおゆるしください。
小林沙友里|こばやしさゆり|Sayuri Kobayashi
編集者、ライター